ツカサ「九十九の空傘」
- 作者: ツカサ,えいひ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/07/20
- メディア: 文庫
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荒廃した世界に残る九十九神の物語。付喪神はそれぞれ人間の想いを残している。想いにとらわれることは苦しい。願いが叶うわけではないから。しかも、その命は永遠。だとすると、永久の苦しみに苛まれることになる。
シグは、いわばその世界でのドクター・キリコ役。苦しいならいっそ殺してしまえ、と。
悪い人は、悪いことができる人。だから悪いことをするか、しないか、自分で決められる。
カサのシグに対する信頼はここから来ているんだろうなー。良い人であろうとすることって、空虚な、中身のない感じ。オモテ面しか知らないで語るよう。
でも、カサは、単純なキリコ役ではない。想いを完遂してなんとか成仏(?)してもらおうとする。ここのところは、実は、読んでいて、また前篇の時みたいにアヤノは世界に残るんじやないかと、思っていた。しかし、実際は消えたか・・・確かに消えること自体はアヤノが望んでいたことだし、そのためにカサは活動していたんだからなー。アヤノが欲しいものは予想通りだったけど、理解して消えていく瞬間は、カサの解決の仕方で良かったんだな、と思いました。