田中ロミオ「灼熱の小早川さん」

灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)

灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)

だいぶ前に読んだけど、最近、ようやく言語化出来る程度に固まってきたから感想書きます。

これ、ネット界隈で絶賛され、ライトノベルにしては朝日新聞にも取り上げられた話題作*1

で、買って読んでみたわけ。感想は、面白くない。

面白くない理由について考えていたんだけど、昨日、めだかボックスを再読していてふと思い立った。

俺って、発想自体が負完全側じゃね?*2

そう思ったときに、小早川さんのことをおもいついたわけ。小早川さんは、教室の「空気」に立ち向かう。灼熱の剣を振るって。最後は小早川さんの思いも通じてくるんだけど。

でもね。

理解してもらおうとして、理解してもらおうと努力して、理解してもらうためにどうすればいいのか考えて、でも理解してもらえなかったことって、経験無いでしょ?

教室の「空気」と戦って、敗北したことないでしょ?負けるしかない、と諦めたことないでしょ?小早川さんを読んで、「あんなの状態、悲惨・・・ちょっとしたボタンの掛け違いでそういう雰囲気になってしまうことってあるよね」とか「自分も学生時代に真面目になることは悪いことだと思っていた」と感想を述べる人は、戦って敗北したこともない幸せな人なんだな、と。孤立という空気とは無関係の存在になったことがない人なんだな、と。

小早川さんは、所詮リア充ですよ。リア充になる過程を僕らは眺めているんです。空気を支配できた人、中心になることができた人が、褒め称える作品でしかないな、と。

*1:ただし朝日は昔世界に届かぬ願い事ってフリゲも取り上げたことがあるので、ラノベを取り上げること事態に違和感はない。

*2:・・・いやね、自分が異常性とか、「大嘘憑き」のようなトンデモスキルを持っているとは思いませんよ。あくまで発想、考え方です