ココロコネクトシリーズに登場する連中が好きすぎて辛い

最近は何をしていたかと言いますと、ココロコネクトの第5巻が発売されたことを機に、シリーズを読み返していました。五巻の冒頭をパラパラと読んでだいぶ忘れているなーと。私、ラノベをたくさん買いますけど、やっぱり「新作読み捨て競争の消耗品」として扱いたくないんですよね。小説を物語として接したい、との思いから、忘れていたならば読み返すべきだろうと。

で。


なにこれすげえ楽しい。



ふとしたところから結成された文研部の連中が、「ふうせんかずら」なる奴に翻弄される中で、友情や信頼を勝ち得ていく物語なんです。人格入れ替わり。欲望解放。時間退行。感情伝導。

自分は、直球の青春モノ・友情モノに弱いなー。
今回の読みなおしでは、稲葉姫子の恋に着目していました。クールな稲葉姫子が、自分をさらけ出す。さらけ出してもなお、相手が受け止めてくれる。最強の関係。傷ついても。傷ついても。復活する。

そして何より青木義文。青木ってバカだな〜っと思っていたけど、あの五人の中で青木が一番先を行っていると思う。例えば、時間退行のとき。青木は、自分の思いを確かめるために、東北地方へと突然旅立つ。そこで得られたものは、過去の自分の気持ち。

「自分は昔、西野菜々が好きだった。そして今の自分は、桐山唯が好きだ」
「それのなにが、悪いんだ」

三巻220頁より。

すごい。彼女の悩みを「オレのタイプ」と割り切れる青木。そのままの自分を受け入れる。
四巻の感情伝導の時も。

アタシらはアタシらでっ、自分の人生だけで手一杯なんだよっ!

勝手、傲慢な台詞だけど、自分の人生を受け止めた上でないと、出てこない台詞。それには覚悟が必要。他人の、どうでもいいことに左右されず、それでもなお世界をそのまま受け入れる。今日、五巻を読み終わったのですが、五巻の軸がまさにこれ。

世界に文句があるなら、自分で変えればいい。

稲葉の台詞が、宇和千尋に降り注ぐ。受け入れて、やればいい。原理はそれだけで単純なんだけど、だからこそ見えない。この小説に出てくる連中は、悩んでいるけど、解決はいつもシンプルと勢い。この潔さが僕は大好きなんだ。