和泉弐式「VS!! −正義の味方を倒すには−」

VS!!―正義の味方を倒すには (電撃文庫)

VS!!―正義の味方を倒すには (電撃文庫)

意外と面白い・・・!!
雑魚戦闘員21号(通称「にーいち」)が主人公。なんだけど、生き残れば勝ち、と半分諦めている。最初から英雄機関に勝つことを諦めている。でも、わずかなときにでも同居していたジャバウォックがやられたのを機に、戦おう、と決意する。普通に戦ってはダメだから、集団で、頭脳戦を試みる、というもの。最後の集団での戦闘シーン、英雄たちをなんとかギリギリまで追い詰めるところは読み応えがあったなー

雑魚戦闘員にも個性があるはず!と一度くらいは考えたことがあるアイディアを、小説にしたもので、絶対的な力格差がありながらなんとか勝とうとするあたりが燃えますねー。死んだジャバウォックのためにも!というのも燃えポイント。ジャバウォック・・・・本当に死んだんだなー。ラノベ的に復活すると思っていたんだけど、最後までそれはなく。特別な仲間が死んだんだなー。21号のなかにずっと残ることになるんだろうなー

燃えだけじゃなくて、萌えもありますよ? ジャバウォックは可愛いし、強いし、頭もいい。そして、なにより戦う理由を求めて、考える。22号も、21号への恋愛感情はないにせよ、同胞意識はある。対する英雄機関の姫宮桜(通常は主人公なんだけど、今回は敵側)も、何も知らないお嬢様っぽくていいっすね。作品が続けていけば、逆転凌辱でもあるのかな?

ふと手にして買った本だけど、意外と面白い!買って楽しめた一冊でした